更新日:2022年9月20日

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手児奈祭の風景2 040906

茶道部の短冊に込めた思い

部活動にとっても手児奈祭は大切な発表の場。それぞれの部活動の真摯な、溌溂とした姿に、あらためて頼もしく感じた2日間でした。今回その中でのお話。

茶道部は、毎年茶席を設けます。その席では、例年校長が書いた短冊が掲げられるとのことで、私は次の言葉を記すこととしました。

真理似寒梅

「真理は寒梅のごとし」と読みます。

これは、同志社大学の創立者として知られる新島襄が、卒業生に送った言葉とされる、「真理似寒梅 敢侵風雪開」(真理は寒梅のごとし 敢えて風雪を侵して開く)の前段です。

新島襄は、江戸末期に国禁を破ってアメリカに渡り、現地で近代的な西洋風の大学教育を修め、帰国後も政府と一線を画し、「良心教育」の重要性を説き続けました。彼の生涯そのものが、正に「風雪を侵して開く寒梅」のごとく、困難の中でも見失うことなく真理を追究する営みであったろうと、推察します。

実は私自身、かねてから梅にはとても親近感がありました。梅はまだ寒い冬景色の頃から、どの花よりも先に咲き、暫く残り、他の花が咲きだすころ、萎れ落ちていく。桜の咲き方散り方の「潔さ」とは対照的です。でも、「誰よりも先に咲き、続ける」その姿に強く共感し、「自分もそうありたい」と考えるようになりました。そんな私がこの言葉に出会い、教育者の大先輩である新島襄の想いと、自分の心がわずかでも重なったような嬉しさを感じ、以降大切にしています。

そこで、今回の茶道部からの求めに応えつつ、厚木東高校のすべての人々に、この言葉のように逞しく真理を追い求めていこう!というメッセージを込めて、したためさせていただきました。

厚木東高校の今後の「真理を追い求める道」に、ご注目ください。

茶道部会場