更新日:2022年6月24日

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校長のつぶやき11

校長校長イラストの内田です。

この仕事をしていると生徒、先生、保護者、学校に来る方々など、多くの人と出会います。会うと必ずあいさつをします。「おはようございます」だったり、「こんにちは」だったり、「さよなら」だったり。はじめての人には「はじめまして」です。今までどれくらい挨拶をしたのでしょうか。今日は「あいさつ」の話をしたいと思います。

 

以前、働いていた学校での30代の若い先生の話です。私の姿が見えると遠くからでもその先生から挨拶をしてくれます。もちろん私も返します。礼儀正しいなぁって思ってました。でも、生徒が横を通るときには挨拶をしないんです。あれ?いつもは礼儀正しいのにどうしたのかな?よく見ると、生徒が先に挨拶をしてくれるときちんと挨拶を返しています。生徒が挨拶をしないときには、その先生もしない。あいさつとても気になったので、その先生に聞いてみました。なぜ「廊下で会った生徒にあいさつをしないの?」その先生は言いました。「あいさつは下の者から先に挨拶をするもんです。それが常識です。」えっ?そうなの??そんな常識を聞いたことはないし、私にはそんな感覚は全くないけど。それに下の者って何?(たぶん年下という意味で言ったんだと思いますが)あいさつってそういうものではないですよね?

 

では、あいさつって何でしょうか?

語源をたどってみたいと思います。

「おはよう」…自分より先に来ていた人に対して、後から来た人が「お早いですね」という意味を込めて、「お早うお越しで」などと声を掛けていたのが始まり
「こんにちは」…「今日は(こんにちは)ご機嫌いかがですか」、「今日は(こんにちは)いい天気ですね」などと、日中に出会った人に話しかけていたのが、後半が略されたものつぶやき11
「さようなら」…「然様(さよう)ならば<=そういうことならば>、お別れですね」などと言葉が略されたもの
「ありがとう」…めったにないことという意味の「有り難し(ありがたし)」がウ音便化したもの。珍しいものへの感謝の言葉になった

「すみません」…「仕事を終える」「気持ちがおさまる」「満足する」という意味を持つ動詞「済む」に丁寧語の「ます」を付け、否定した形

諸説あるのでしょうが、こんな感じが一般的なようです。

 

また、「あいさつ」にも語源があります。あいさつを漢字で書くと「挨拶」です。

「挨」…「押し開く」、「互いに心を開いて近づく」

「拶」…「迫る」、「擦り寄る」

併せて、「出会った人がお互いに心を開いて相手に迫っていくこと」とされています。

 

どの挨拶の語源から見ても、人と人の会話の中からできたものです。私の結論は、挨拶とは「人と人をつなぐ大事なコミュニケーションツール、目の前の相手とよい人間関係を築いていくための方法」ではないかと思っています。

挨拶をすることはとても大事ですね。

 

若いころは、こちらから挨拶をしても返ってこないと、「なんだよ」と思うこともありましたが、今は全く思わなくなりました。それは、挨拶を返してほしくて挨拶をしているのではないということに気づいたからです。でも、返してくれたら嬉しいですけどね(笑)。

向陽館の先生方は、積極的に生徒のみなさんに挨拶をしてくれています。嬉しい限りです。

 

おまけです。つぶやき11

授業を回っていた時のこと、ある教室でプリントが前から回ってきました。もらった生徒が「ありがとう」と言ったので、その生徒に「ありがとうを言えて偉いね」って声を掛けたら、「校長先生に褒められた」と喜んでました(?)。何気ないことにも感謝の気持ちを伝えられるあなたは本当に素敵です。私はその生徒を見てとても嬉しくなりました。

 

今日はここまでです(了)

ルビ付きのPDF版はこちら

校長のつぶやき11(PDF:195KB)

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